| ほとんどの宗教は何らかの礼拝行為をしていますが、何を、何のために、どのように礼拝しているのかは、大きく異なります。たとえば、天体や木や岩、山や川、動物などの自然物を拝むものもあり、先祖の霊や歴史的な人物を礼拝したり、恨みを残して死んだ人の怨霊を拝んだりするものがあります。礼拝の目的も様々ですが、私たちのまわりで普通に行われていることを見れば、健康、商売繁盛、家内安全、交通安全など、現世利益のためであることがほとんどでしょう。 キリスト教では、天地万物の創造主であり、すべてのものの支配者である唯一の神を礼拝しています。 私たち日本人の感覚からすると、多神教的に神を知ることがふつうだと思いがちです。しかし、ほんとうにそうでしょうか。ほんとうに神がいるなら、唯一の真の神がおられると考えるのが、むしろ自然ではないでしょうか。 人間は、全自然の存在、その秩序、その美しさ、生命の不思議などに思いをはせて、これらすべての創造者である神がおられることを感じることができます。（ローマの信徒への手紙 1:19〜20参照） また、神はさまざまな仕方でご自分の存在を人々に示し、預言者たちを用いて語られましたが、人間は正しく神に向かうことをしませんでした。そして、神ご自身が、最も確かなかたちで、決定的にご自分を示されたのが、イエス・キリストです。人間は、自分の力で神を正しく知ることはできませんが、神の方から、ご自分がどのような方であるかを現してくださったのです。 ですから、キリスト教の礼拝は、キリストにおいて示された神とその働きに応える形で礼拝します。その内容はだいたい次のとおりです。 神の存在とその力を賛美し、人間の罪を告白し、聖書と説教を通して神の人間への語りかけ、神の言葉を聞く。そして、神の恵みに感謝し、祈り、新しく生きる。 具体的には、教会の「週報」などに礼拝の順序が記されています。招詞(招きの言葉)に始まり、讃美歌、祈祷、聖書、説教、聖餐、献金、祝祷などがあります。 |