私たちはキリストによって無償で赦されたのだとすれば、「戒め」や「訓練」や「キリスト者の生き方」などはそれほど重要なものではないのではないでしょうか。?

 神は無償でキリストによる赦しを与えてくださり、私たちの救いは無条件で差し出されています。私たちが立つべき土台、歩むべき道はすでに備えられたのです。しかし、そこにどう立つのか、どのように歩むのかという課題があります。キリストの恵みを受けたならば、「救われたのだからあとはどうでもよい」という生き方が生まれるでしょうか。
 パウロは、「わたしは、神からいただいた恵みによって、熟練した建築家のように土台を据えました。そして、他の人がその上に家を建てています。ただ、おのおの、どのように建てるかに注意すべきです。イエス・キリストという既に据えられている土台を無視して、だれもほかの土台を据えることはできません。この土台の上に、だれかが金、銀、宝石、木、草、わらで家を建てる場合、おのおのの仕事は明るみに出されます。かの日にそれは明らかにされるのです。なぜなら、かの日が火と共に現れ、その火はおのおのの仕事がどんなものであるかを吟味するからです。だれかがその土台の上に建てた仕事が残れば、その人は報いを受けますが、燃え尽きてしまえば、損害を受けます。ただ、その人は、火の中をくぐり抜けて来た者のように、救われます」(1コリント3章)と言っています。
 つまり、救いの「土台」は無償ですが、その上にどのように建てるかが問われるのです。土台は、その上に家を建てるために備えられています。
 主イエスは弟子たちに、「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい」と命じられました。
 神は、私たちが新しい命を得て、御国を建設するみ業に参与するように招いておられるのです。ですから、信仰は生活であり人生であり、実践があり、労苦もあり、学びや訓練も必要なのです。そして、その信仰の道を主が共に歩んでくださいます。

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