| ヨハネによる福音書２０：３１に、「これらのことが書かれたのは、あなたがたが、イエスは神の子メシアであると信じるためであり、また、信じてイエスの名により命を受けるためである」とあります。 聖書には、実に様々な文書が集められています。大ざっぱに言っても、律法、歴史書、預言書、詩、黙示、福音書、手紙など。しかし、これらが一つの「聖書」であるのは、一つのテーマがあるからです。それは、「イエス＝キリスト」です。 ですから、私たちの自分勝手な関心から聖書を読めば、何でも読み込むこともできてしまいますが、それは聖書の真の著者である神の御心からはずれることになります。 最近流行った「聖書の暗号」（そのままの題名の書物がありますが）も、聖書の書かれた目的からかすれば、ほとんど無関係・無価値です。聖書は、ヨハネが言うように「イエスは神の子メシア」であることを証しする書物であって、主イエスを私たちが「信じて、命を受ける」のがその目的だと言えます。 そうした本来の目的、中心テーマから聖書を読むのに物足りなくなったのか何なのか、キリスト教会の牧師たちの中にも、「聖書の暗号」は大変なことを語っていると主張する人が出てくる始末です。 でも、ヒトラーの登場や原爆、ケネディ暗殺やチェルノブイリ原発の事故さらにはダイアナ妃の事故死、果ては阪神大震災と、あらゆる事件、事故が予言されていると言われても、主イエスがメシアであることと何の関係があるのでしょうか。 聖書が何かの「暗号」だというのは、聖書が神の言葉、啓示の書であることを忘れ、あるいはそれだけでは物足りずに、世の人々に関心を持ってもいたいがための、いやらしいセンセーショナリズムです。 その方面に関心を持つのは各人の自由ですが、聖書を「聖書」として読むこととは無関係だということは知っておくべきだと思います。「暗号」によって「命を受ける」ことはできないからです。 そもそも、この世に「イエス＝キリスト」の出来事以上の大事件があるのでしょうか。 |